にほんえいほう

日本泳法

日本泳法とは、日本に古来から武芸として伝わる泳法のこと。古式泳法とも呼ばれ、近代泳法であるクロールや平泳ぎ背泳ぎバタフライ以外の日本発祥の泳法を指す。水泳だけでなく、潜水や飛び込み、水馬術なども含まれるほか、甲冑を着用した着衣泳法と呼ばれるものや、水中での格闘技術、立ち泳ぎでの火縄銃の発射といった戦術もそれぞれ日本泳法のひとつとなっている。

教育体系としての流派が確立されたのは江戸時代初期とされるが、すでに鎌倉時代の軍記物語などにも水練や水馬の話は登場している。後の1932年に、日本水上競技連盟は文部省の指示により、実用的な泳法のみを標準泳法として国民必修と定めることを決めた。標準泳法として定められたのは、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、伸泳、片抜手、扇平泳、抜手、潜、浮身、立泳、逆飛、立飛の12種類である。

日本泳法には現在も引き継がれているものが存在し、日本水泳連盟は12の流派を公認している。また、日本泳法大会や日本泳法研究会といったイベントも毎年開催されている。なお、日本泳法はシンクロナイズドスイミングと共通した泳法を含んでおり、シンクロナイズドスイミングを日本国内に導入したのも日本泳法との共通性に注目した団体となっている。

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<1511>  2012.10.2更新