ぎんぱい

銀杯 【 シルバーカップ 】

銀杯とは、1919年にイングランドサッカー協会(FA)から日本に寄贈されたカップのこと。当時、日本ではまだサッカー協会が設立されていなかったが、1917年に初めてサッカーの公式国際試合に出場して惨敗した結果を受けて、1918年から各地で中等学校の生徒らによる地方大会が開催されるようになった。このニュースが英国で「日本でサッカー協会が設立され、全国選手権大会が開催された」と誤って報道されたことにより、FAが「全国大会で優勝したチームに授与するように」と日本に銀杯を寄贈した。

そこで、寄贈された銀杯を授与する全国大会を開催するべく、東京高等師範学校校長の嘉納治五郎と校友会蹴球部部長の内野台嶺らが中心となって、サッカー協会設立へと動き、1921年に日本サッカー協会(JFA)の前身となる「大日本蹴球協会」を設立した。銀杯は、天皇杯全日本サッカー選手権大会の前身にあたる「明治神宮競技大会 ア式蹴球の部」の優勝チームに授与されるようになった。しかし、1945年に戦時下の貴金属献納のために銀杯は没収され、姿を消した。

2011年にJFAが設立90周年を記念して銀杯を復元しようと、制作の許可をFAに尋ねたところ、FAから「親善のためにもう一度制作して寄贈したい」という申し出があり、2011年8月に新たに制作された銀杯がFAからJFAに寄贈されることとなった。新たな銀杯は天皇杯の優勝チームに授与される。

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<1312>  2011.8.22更新