極度の緊張状態になり、プレーに支障をきたすこと。子犬などが吠えることを意味する英語のyipが語源となっている。1930年頃に活躍したプロゴルファーのトミーアーマーがイップスという用語を初めて使用した。アーマーはパットのイップスに苦しみ、現役引退に追い込まれた。
もともとは、プレッシャーによるパットの障害を意味していたが、アプローチ、ドライバー、アイアンなど他のプレーの障害に対しても使用されるようになった。ドライバーやアイアンのイップスには、アドレスからクラブを上げられない症状や、トップオブスイングからクラブを下ろせない症状がある。また、試合などの重要な場面で緊張することを意味するあがりとは異なり、練習時でもうまく動作ができなくなることがある。なお、イップスという用語は、現在では野球やテニスなどゴルフ以外のスポーツでも用いられている。
イップスを発症する原因は解明されていないが、結果を求める過剰な意識、過去の失敗に関する記憶や自責感などが一因と言われている。一般的にメンタルトレーニングによる治療が行われているが、決定的な治療法は確立されていない。
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