自転車用空気入れの一種類で、あらかじめボンベに充填したガスを用いてタイヤの空気圧を適正にする、非手動の自転車用空気入れのこと。液化石油ガス(LPG)を充填するものや、炭酸ガスを充填するCO2インフレーターなどがある。インフレーター(inflator)とは英語で「膨らませるもの」という意味である。
ただし、日本国内では、様々な意味で用いられる用語であり、「インフレーター」の表す意味は一定ではない。電動のコンプレッサーなども含め、非手動でタイヤの空気圧を適正にする自転車用空気入れ全般のことを指す場合もあれば、フレーム空気入れやコンパクト空気入れなども含め、手動、非手動の区別なく、携帯用の自転車用空気入れ全般のことを指す場合もある。
狭義でのインフレーターは、他の手動タイプの空気入れに比べ、労力を使わず数秒でタイヤを適正空気圧にすることができるため、パンク時などの応急処置に適している。さらに、電動のコンプレッサーに比べて騒音を発生させないこともあり、携帯用に適しているとされる。一方で、インフレーターに用いられるガスは、空気に比べるとタイヤに対して透過率が高く、タイヤチューブから抜けやすいため、常用の空気入れには適さない。特に、比較的安価な液化石油ガスは、炭酸ガスよりも透過率が高く、多くは使い捨てタイプとして販売されている。
現在、「インフレーター」が自転車用の携帯用空気入れ全般を意味するのは、本来の意味のインフレーターが携帯用に用いられれることが多かったことからの類推で意味が広がったと考えられる。ちなみに、英語では、手動のフレーム空気入れやコンパクト空気入れには、「ポンプ(pump)」という言葉が用いられており、「インフレーター(inflator)」という言葉は用いられない。
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