競馬で使用される、コースの下地、馬場の一種。コースコンディションの維持とコース管理コストの低減を目的に人工的に開発された、人工素材を使用した馬場のこと。いかなる天候にも左右されずレースが施行できる、という意味でオールウェザーと呼ばれている。
オールウェザーとして使用される素材には様々なものがあり、製造するメーカーや成分によって名称が異なる。主に、人工繊維や合成ゴムとワックスを混合して生成される素材でできており、若干のべたつきがある素材となっている。オールウェザーは競走馬の脚が掛かりやすく、また砂や土が競走馬の蹴り上げによって飛ぶこともない。また、定期的な入れ替えも必要なく、馬の故障も低減されるとされている。
芝コースは、競走馬が何度もそのコースを走ることで、駆ける蹄による芝生の損傷が激しくなり、開催後半には芝が剥がれてしまう問題もあり、見栄えの面だけでなく競走馬の故障の原因となってしまう。そのため、頻繁に芝の張替えが必要となり、整備費も高くなる。一方、ダートコースで使用される砂に関しても、雨が降ると水溜りができてしまったり、乾くと砂埃が発生してしまう懸念を抱えている。
アメリカでは、オールウェザー導入の声が高まっており、各競馬場でオールウェザーのトラック導入が進められている。イギリスやドバイの競馬場でもオールウェザートラックの導入は進んでおり、今後世界規模でオールウェザートラックが主流となっていく可能性がある。
日本の競馬場では2009年現在オールウェザーを導入している競馬場はなく、競走馬の調教を行うトレーニングセンターのコースに導入されるにとどまっている。
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