ヒトせいちょうホルモン
ヒト成長ホルモン 【 HGH 】
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身体の様々な組織に作用し、新陳代謝を促進させるホルモン。長い鎖状のアミノ酸分子で、脳の中心部に位置する脳下垂体前葉で作られる。ヒト成長ホルモンの製剤は医療や美容目的で使用されるが、脂肪分解作用や骨伸長作用、筋肉増強作用などの効果があり、ドーピングに悪用されることがあるため、世界反ドーピング機関(WADA)に禁止薬物として指定されている。 体内のヒト成長ホルモン量は、約3歳から17歳までがピークとなり、約20歳から25歳にかけて急減し、20歳時の約四割にまで低下すると言われている。スポーツ選手がドーピング薬としてヒト成長ホルモンを摂取することが増えてきたため、オリンピックでは2012年のロンドン五輪よりドーピング検査の必須項目となった。また、メジャーリーグベースボール(MLB)でも2011年より、ヒト成長ホルモンの検査が導入されている。 検出が難しいヒト成長ホルモンのドーピングを摘発するため、新たな検査方法の開発が進められているほか、MLBでは2013年より、オフシーズンだけでなくレギュラーシーズン中も抜き打ちの血液検査が行われることとなった。
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