スキーのフリースタイル競技のうち、人工的に作られたこぶ斜面を滑降しスピードやターン、エアの美しさを競う種目。モーグル(mogul)とは英語でスキー滑走面上の「こぶ」の意味。より早く正確に滑り降りるターン技術とコース途中2カ所に設置されたエア台によるジャンプ試技の技の完成度、難易度の高さが求められる。
レースの勝敗はターン点、スピード点、エア点をそれぞれ採点し、その合計点数が高いほうが勝ちとなるがその点数配分はターン点が50%、スピード点とエア点がそれぞれ25%ずつとなっており、エアの派手さが注目されがちであるが、採点的にはターンの完成度が重要視されている。レース形式には一人で滑降するシングルレースと二人同時にスタートして競うデュアルレースがある。モーグルで使用されるスキー板はこぶ斜面を安定して滑るためにアルペンスキー用の板に比べて長さが長く、サイドカーブが大きいものになっており、反面ストックは短めになっているのが特徴である。
こぶ斜面からの受ける連続的な衝撃を下半身の膝を使って吸収してスキー板を常に雪面に接地させ、上半身の動きが安定しているように見せるのが美しいターンとされる。レースではターンの美しさをジャッジにアピールするために選手は主に上下同色でボイディラインを強調したスキーウェアに膝の部分にアクセントが入れることでジャッジに膝の動きが見えやすいようにしている。日本では里谷多英、上村愛子などの女子選手の活躍により一気に知名度が向上し各スキー場にモーグルコースが設置するなど普及が進んだ。
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