年寄名跡のうち、代々引き継がれる年寄名跡ではなく、とくに功績の著しかった横綱が引退した際に、一代限りの名跡として特別に襲名が認められる年寄名跡のこと。引退時の四股名がそのまま年寄名に用いられ、四股名の相撲部屋を開くことができる。これまでに襲名が認められた横綱は大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花の4名だが、千代の富士は一代年寄を辞退し、「陣幕」を襲名した。これは、自分の部屋を一代限りにしたくないという理由による。
年寄名跡の数に限りがあることから、引退時に年寄名跡を持っていない横綱と大関には、期間限定で年寄の資格を認める制度があり、横綱は引退後5年間、大関は3年間のあいだ、年寄名跡がなくても年寄として相撲協会に残ることが可能である。この際、年寄名は一代年寄と同様に四股名となる。具体的には、「(四股名)親方」とどちらも呼ばれるが、期間限定の年寄と一代年寄は別のものである。期間限定の年寄となった元力士は通常、期限が来る前に年寄名跡を取得して、襲名する。
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