男子ゴルフの4大メジャートーナメントのひとつで、R&Aの主催のもと、毎年7月中旬に英国で開催される男子ゴルフトーナメントのこと。4大メジャートーナメントの優勝経験者やワールドゴルフランキングの上位者などの最上位成績優秀者のほかにも、何回かの予選を突破した者が出場資格を得られるというシステムから「オープン」の名で呼ばれる。「全英オープン」や「Brtish Open」とは英国以外で用いられる通称であり、正式名称は「The Open Championship」となっている。
シンプルな正式名称が表すとおり、第1回開催が1860年と4大メジャートーナメントの中でも最も古い歴史があり、権威の高い大会である。現在も優勝者が授与されている「クラレット・ジャグ(The Claret Jug)」の歴史も古く、その始まりは19世紀に遡る。また、日本人選手の出場も他のメジャートーナメントに比べて多く、日本メディアで中継されるなど注目度も高い。
全英オープンは、4大メジャートーナメントのうち唯一米国以外で開催される大会であり、その他3つの大会とは様々な面で異なる。とりわけ違いがあるのが、コースを取り巻く環境である。まず、全英オープンのコースが、ゴルフの聖地とされる「セント・アンドリュース(St.Andrews)」を含む、スコットランドおよびイングランド内の特定のゴルフ場からローテーションで決められている。これらのコースは、どれも自然の地形や植生、遺物をそのままの姿で残したレイアウトが多い。起伏の激しいフェアウェイ、深いバンカー、フェスキューが生い茂った高さのあるラフ、さらには以前通っていた列車の線路跡がそのまま残されているコースまである。
一方で、全英オープンのコースは海岸沿いに立地したシーサイドリンクスのコースでなければならないという規約がある。シーサイドリンクスでは海岸からの湿度の高い強風に常時脅かされるため、思わぬ失敗を招くことが多い。以上のような立地条件に加え、英国特有の変わりやすい天気のために、風雨の中でのプレーもしばしばであり、技術的にも精神的にもタフさが要求される。
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