日本の武道家、宗道臣が第二次世界大戦後に創始した武道。戦後の混乱の中、人間形成を目的として創始され、金剛禅と呼ばれる禅による精神修養および護身を目的とした武道修練により修行を積む。中国の嵩山少林寺において古くから伝わる中国の伝統武術「少林拳」と混同されがちであるが少林寺拳法は宗道臣自身が様々な武道を研究した上で編み出した独自の武道であり、少林拳とは基本的に関係ない、としている。
殺生ではなく、人間形成を基本理念として創設されたものであるため、合気道と同じく原則試合はなく、合気道同様組手による演武のほか、型による稽古が中心となるが、合気道が投げ技や関節技中心であるのに対し、少林寺拳法では突きや蹴りなど打突系の返し技が中心となっているのが特徴的となっている。禅の精神が基本とされているため他の武道組織と比べて宗教色が濃いものとなっている。また、流派を認めず世界唯一の宗教団体、武道団体として結束力が強い。一方で「人間形成」という平和的理念により、日本のみならず世界各地に少林寺拳法は広がりつつある。
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