競馬においてファンが名付けたオカルト要素のこと。東京都府中市にある東京競馬場で開催されるG1競走、特に芝2000mを使用する天皇賞(秋)においては、1番人気の馬が度々凡走することから、「府中には魔物が棲んでいる」と言われるようになった。実際に、1987年のニッポーテイオー勝利以降、テイエムオペラオーが2000年に勝利するまでの12年間、天皇賞(秋)では1番人気の勝利が一度もなかった。
その内容は実に多彩で、1991年には大楽勝を演じたと思われた1番人気のメジロマックイーンがスタート直後の斜行により18着へと降着処分を受けたり、1994年にはそれまで全てのレースで2着以内を守ってきたビワハヤヒデがレース中の故障で5着に敗れ、1998年には圧倒的1番人気に支持されたサイレンススズカがレース中に粉砕骨折を発症し競走中止となる事態まで起きていた。このため、長い間天皇賞(秋)のレース前には「府中の魔物」という言葉が良く使われていたが、2000年にテイエムオペラオーが勝利して以降、1番人気が9年間で4勝するなど、以前の凡走振りはあまり見られなくなった。
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